美しさだけが取り柄な最弱の主人公が、変態美少年(褒め言葉)にストーキングされながらも、仲間と共にダンジョンに潜りお金を集めるRPG風なストーリー。奇天烈なキャラクターと、それらが語るモノローグの抉り込みが魅力。全編を通すと登場人物の数は膨大ですが、ひとりひとりにその人の生い立ち、生き様、信念があることが伝わってくる、伊坂幸太郎顔負けの群像劇も見所の一つ。面白いよ、みんな読んでね。自分調べ、今までもこれからも、ライトノベル界隈を飛び越えて「知ってほしい広まってほしい」と願う作品堂々の第一位、ただしグロいのエグいの苦手な方はご注意ください。
「RDG(レッドデータガール)」で見事アニメ化を果たした荻原規子巨匠の初期の名作”勾玉三部作”の第二作目。”ヤマトタケル伝説”をモチーフに、少年と少女の出会いと別れ、愛憎、再会、再生を描く名作中の名作。勾玉三部作では、一作目の「空色勾玉」が一番人気のようですが、わたしは白鳥の方が好きです。
日本の少女たちに衝撃を与えたデビュー作にして”勾玉三部作”の第一部。八百万の神々がまだ地上を歩いていたころのお話。神々の軍勢「輝(かぐ)」の一族と土着の人々「闇(くら)」の一族がぶつかり合う中で、身分を超えて惹かれ合う少年と少女、二人の恋と戦いの行く末は如何に!?という堂々たるファンタジー。この作品で神話ファンを何人生み出したか知れない罪作りな一作。ミュージカル化、ラジオドラマ化などメディア化も多数。良作。
「走(かける)、走るの好きか?」ーー弱小駅伝部が夢の箱根を目指す青春小説、と言ってしまっては魅力が全く伝わらない、しかしまごうことなき青春小説。読み終えたら走り出したくなること請け合いです。ジョグしたい。それぞれの思いを持って走る10人が気付けば愛おしくて愛おしくて…ハンカチ必須です。
隠れた名作感の強い児童書。何百年もの間、闇に紛れかくれ潜んできた暗殺組織に、至って平凡だったはずの少年が狙われることになってしまい…というあらすじ。みんなつらい目に会ってるから幸せになってほしい。血みどろの戦いを繰り広げる非日常の中で、けぶるように描かれる学校生活という日常、そのコントラストが眩しくも痛ましくて、しょんぼりしながらどうにも惹き付けられて、すごい。誰もが覚えのある学校生活への懐かしさをかき立てながら、こんなにも凄絶で、切なくて、鮮明な物語が他にあっただろうか…?(反語)
超ど級の正統派ファンタジー。十二国記とか好きな人は読めばいいよ。政治や戦争、言語学、図書、あらゆる知識が高いレベルで語られるので、内容は正直難解ですが、それより何より主人公のキリヒト少年、そして”図書館の魔女”たるマツリカの二人が可愛くて可愛くて…誰もがその知略を恐れ、高い塔の中から一国を動かすと言われる魔女が、口をきくことの出来ない少女であること、少年と少女は手話ならぬ指話(手を繋いだ指で会話をするオリジナル言語)を編み出し、キリヒトはマツリカの”言葉”としていつでも!手を!繋ぐ!これがロマンか(呆然)。
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