「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」でブランディングを知る

noteで見かけて気になっていた本。
「デザイン思考」「デザイン経営」という言葉が界隈で流通するようになってしばらく経ったけれど、結局よく分かっていないので、ここらで一冊読んでみようかと。

本書はデザイン思考のハウツー本ではなく、①日系企業がいかにグローバル対応できていないか、特に“デザイン”に対する認識の違いを指摘し、②デザインが具体的に果たす役割、その中でも“ブランディング”に焦点をあて、③ブランディングのプロセスや著者の手がけた事例を詳細に取り上げる、という構成になっている。

冒頭に述べた「結局デザイン思考って、何?」という問いへの直接的な答えは記載が無いものの、それにまつわるエッセンスは豊富に散りばめられている。

●クライアントをよく観察し
●課題や問題点や強みを見極め
●オーディエンスや時代、市場を考慮し
●問題解決する方法を柔軟にクリエイティブに考え出し
●それを可視化して伝わるかたちに落とし込んでいく

P36〜37より

本書で一番参考になったのは、“ブランディング”(著者によれば、“ブランド“を消費者が直感的に感じられるようにすること)のプロセスを詳細に記してくれたところだろう。

著者らが経営するデザイン事務所のノウハウをたっぷりと(もしかしたらほんの一部だけなのかもしれないけれど)明かしていることと、著者の穏やかな語り口とが相まって、「この本は、この著者は信頼できるぞ…」と思わせてくれる安心感が嬉しかった。

ブランディングの各プロセスごとに用意されているエクササイズに取り組むことによって、理解が深まる仕組みになっているので、いまわたしがやっていること(このサイトやnoteの投稿・SNS)やこれからやろうとしていること(もう一つインスタアカウントを作る・noteのマメな更新)の整理を、本書のエクササイズに則ってやってみたいな、と思った。

刺激を受けたので、iPadのノートアプリでメモを取ってみた。せっかくなのでシェアします。
ちなみにアプリは「Metamoji note」を使っているのだけど、これが正解なのかが分からない…

3ページ目の密度すごいな…笑

著者の経営するデザイン事務所「HI(NY)」、というか著者(のうちの一人)渡邊デルーカ瞳さんのブログが日本語で運営されています。
やはり穏やかさの中に種々の苦労・経験が織り込まれた深みのある文章が読みやすく、心地よく、感度が上がった気になれるので、こちらもおすすめ。
特に、会社経営と育児の両立に向けて奮闘されている姿に勇気づけられます。

https://www.hitomiwatanabe.com/

また、本書の内容を詳しく知りたい方は、公式ウェブサイトをチェックしてみるのも効果的だと思います。著者ご本人がデザインされたとあって、本の世界観がギュギュッと詰め込まれていて、眺めるだけで楽しいです。