【詳細レポ】漫泊しちゃう?ーMANGA ART HOTELお泊まり記

ただひたすら漫画の世界に浸る一夜を提供してくれるホテルがあるのをご存知でしょうか?

MANGA ART HOTEL, TOKYO / 漫泊® マンガをテーマにしたコンセプト型のカプセルホテルです。広義の“アート”という観点から厳選した作品が、5,000冊以上。ただひたすらマンガの世界に浸る「一晩中マンガ体験」を。 https://mangaarthotel.com

場所は神田錦町で、小川町・淡路町・新御茶ノ水からそれぞれ徒歩1分。

コンクリートジャングルど真ん中みたいな場所に、そんなエッジの効いたホテルがあるなんて…5,000冊の漫画…読みたい…楽しそう…

Googleマップを見てみると「コロナの影響かめちゃくちゃ空いてる」という口コミも見られ、これはもう行ってみるしか無いなと思い立ち、シルバーウィークにお世話になってきました。※ワクチン2回接種済

以下、(旅行記を書こうとすると毎回そうなのだけど…)滞在の様子をご紹介します。長いので、お時間のない方は末尾のまとめだけ読んでいただければと思います…笑

それでは、心ゆくまで漫画漬けの一夜を!

滝汗チェックイン

のっけから様子がおかしくて恐縮ですが、チェックインにちょっと苦戦したので後世のために書き記しておきます。

実はMANGA ART HOTEL, TOKYOさん(長いので、以下マンガアートさん)が入居しているビルに行ったことがある(2階に入っているカフェを使ったことがある)ので道に迷うことはなく、サクッとビルに到着しました。

15時からチェックイン可能なのですが、15時に到着するとやる気すごい人みたいで恥ずかしいな…という謎の自意識が作動し、あえての16時半くらいに到着しました。

何故1時間半も寝かせたのか…今思えば15時ぴったりに行けば良かった。

ちなみにビルの場所自体がちょっと分かりにくい上に、ビルの入り口どこ??となりがちなので、不安な方は公式インスタのストーリーを見ることをおすすめします。

入り口はこんな感じ

エレベーターで4階へ。ちなみにエレベーターの中の案内板に、4階が女性用フロント・5階が男性用フロントと書いてあるので、各々めざすところに向かいましょう。

エレベーターが開いた瞬間、まず最初の驚き。

エレベーターの中から撮った写真

せまいッッ!しかもめちゃくちゃ暑いッ!

一応室内なのですが、冷房が無いのかとても暑かったです。

どうやらチェックインはフルリモート対応で、設置されているタブレットから操作をすればいい様子。チェックイン方法の案内書は特に無く、滞在の注意事項がA4一枚に書かれて置かれていました。

せっかくだから写真に撮っておきたい…などとカメラをゴソゴソしていたところで、なんと次のお客さまが。

慌ててカメラをしまいチェックイン手続きに進みます。…が、方法が分からない!

専用アプリみたいな画面がタブレットに表示されているのですが、そこには見知らぬ方のお名前が表示されており、ホームボタンも戻るボタンも無い。誰このお方。住所書いてあるけどいいのかな…?

念のため、後からやって来たお客さまに「この表示はあなた様でしょうか?」と聞いてみたものの違うとのこと。表示された見知らぬ方のお名前をタップしてみると、詳細情報が出てしまい、やっぱり戻ることも、それ以上進むことも出来ない…。

困った時はこちら!みたいな電話番号も無く、後からやって来たお客さまにやり方を聞いてみるもご存知なく、気まづい時間が流れる。

そんでこの空間めちゃくちゃ暑いんだ。後から来た方をお待たせしている申し訳なさと暑さでめちゃくちゃ汗かいて来たし、とてもつらい……と早くも萎え萎えでした。

滞在の注意事項が書かれたA4用紙にヒントが無いかチェックしていたところで、タブレットの表示が変わりました。

一定時間が経過したのでチェックイン手続きをキャンセルしますみたいな表示が!これだ!!!!!!

キャンセルを選ぶと、やっとこさチェックインシステムのホーム画面に戻ることができました。

そこからは、予約時の案内に記載のコードを入力→自分の情報が出てくるので生年月日などを入力→管理人さんとビデオ通話が繋がりチェックイン手続き…と流れるように進んで行きました。ヨカッタ…

ちなみにビデオ通話が終わった後に、手続き終了ボタンみたいなのが表示されるので、それを押すことでホーム画面に戻すことが出来ます。※重要

おそらく、前にチェックインされた方はホーム画面に戻さず、画面をそのままにしていたことが、わたしがチェックインに行き詰まった原因だったようです。

そのままにしてしまうと自分の個人情報が晒されっぱなしになるので、後の方のためにも、利用時には手続き終了ボタンを押すことを推奨します。(というか、自動で戻って欲しい…)

タブレットの先には数字を入力するタイプの電子錠付き扉があり、これがこのホテル全体の鍵になっていました。

ホテルと言いつつ実際にはカプセルホテル(というか注意書きに書店として登録してあると書いてあったので、厳密にはカプセルホテルでも無く書店らしいです)なので、個人スペースには鍵は存在しません。

ある意味漫画喫茶よりもセキュリティがゆるい。運営がお客さんの良識頼りなんだなと思いました。

※個人スペースにはセキュリティボックスがあるので、最低限の安全は確保可能です。

なんとかチェックインを終え、あとはチェックアウトまで何をするのも自由!(チェックアウトは手続きなく、そのまま帰ればいいとのこと)ウキウキのマンガナイトの始まりです。

どこでマンガ読めばいいのかの苦悩

さて、早速内部を探索です。ちいさなビルだということは先述の通りなので、探索といっても秒で終わります。

女性フロア

メインスペース。個室というか個人スペースが本棚の中に埋め込まれています。ビルにしては珍しく、奥にベランダがあります。

今日のおれの城。カプセルホテルに泊まったことが無いので、圧迫感が心配でしたが問題ありませんでした。

吊り下がってるのはお風呂セット

シャワーブースが2つ。シャンプー・コンディショナー・ボディーソープあり。

トイレと洗面台が4つずつ。ドライヤーとティッシュあり。

いずれも無駄のない配置と空間です。率直にいえば、簡易宿泊所感を清潔さと新しさで補っている感じ。

ちなみに男性用フロア(5階)も漫画を漁りに探索してきました(19時以降は異姓のフロアに行くことは禁止)が、漫画のラインナップが異なるだけでほぼ同じ作りでした。ベランダの形状がちょっと違うくらいかな。

男性フロア

あ、でも5階はフロントが多少しっかりしており、タブレットも複数設置され困っても誰かに連絡が取れそうだったので、普段は5階で全て受付しているのかもしれません。どうしてもチェックインができなかった場合は、5階に逃げ込みましょう。

5階フロント、4階と見比べると広い!

探索を終えたところで、ひとつ悩みが浮上してきました。これ、どこで漫画読めばいいの?

以前、同じようなコンセプトのBOOK AND BED TOKYOの浅草店(現在閉店)にデイユースでお邪魔してきたのですが、あちらも店舗面積はすごく広いわけではないものの共用スペースがそれなりにゆったりしており、そこに座って読書を堪能することができましたが、マンガアートさんは更にコンパクトな作りなので、共用スペースがほぼありません。

これは…個人スペースに籠るしかないのか…?むしろ漫画を持ち出して近くのカフェに行った方がゆったりできるのでは…?

そんな身もふたもない考えが頭をよぎりました笑

お風呂に入ってからじゃないとベッドに寝たくない派としては、着のみ着のまま個人スペースに飛び込むのは多少抵抗がありましたが、一泊だしと割り切って籠ることを決意しました。

※結果、すごい集中できたので全く問題なかったです。

飲食NGに落胆しながら籠城に向けたワクワク物資調達

チェックイン時の注意書きに『飲食NGだがペットボトルはOK』と書かれており正直落胆してしまったのですが、本格的に漫画を読み始める前に物資を調達しようと近くのセブンイレブンに向かいました。

(ポテチを…夜中にポテチを食べながら漫画が読みたかった…お行儀の悪いことがしたかった…)

ペットボトルの飲み物や、翌日用のマスクを忘れたので買い足したり。こういうときの買い出しって無性に楽しいですよね。必要ないのにアメニティとかチェックしたり。

ちなみにコンビニだけでなくドラッグストアも近隣にあるので、手ぶらだったとしても何とでもなるなと感じました。

何冊漫画が読めるかな?

必要物資も揃ったところで、いよいよマンガナイトのスタートです。女性フロア、男性フロアと置いてあるマンガは異なり、基本的に男性向け・女性向けの漫画がそれぞれ置いてあるのですが、ヤングジャンプの漫画が女性フロアに置いてあったりと境目は割と曖昧でした。

絶対AKIRAあるだろうな〜と思ったらあった

以下、読んだ漫画たちとその感想をTwitterに投稿していたので、引用してご紹介します。

余談:夜ごはんのラーメンがつよつよ

19時頃、お腹も空いてきたので夕食を摂ることにしました。実は近くに以前から気になっているラーメン屋さんがあったので、この機会にチャレンジすることに!

つけめん金龍さんです。以前、姉妹店の中華蕎麦にし乃さんを訪れたことがあるのですが、激ウマだったので是非新店舗の金龍さんにも行ってみたいと思っていたのでした。

19時過ぎにお伺いすると、タイミング良く並ばずに入店することが出来ました。ヤッター!

最高に美味しかったです。麺が…麺がね…ちゅるちゅるで…

特製トッピングセットをつけたのでお値段もご立派(1,290円)でしたが、悔いはありません。
お店を出るとずらっと行列ができていました。席数が少ないので、混雑度合いはほんとタイミング次第って感じです。

長い夜の過ごし方

お腹も膨れ、ホテルに戻ってから再び漫画タイムを堪能します。

シャワーは20時過ぎに浴びました。

この夜、女性フロアのお客さんはわたしを入れて3人(チェックイン時にお名前が表示されていた方と、わたしとチェックイン時間が被った方)、シャワーブースは2つ。

ということは一番最後の人は誰かが使った後のシャワーブースを使うことになる……と思案し、先手を取ることにしたのでした。

シャワーは水圧も十分で、脱衣所には珪藻土マットレスも置いてありそこそこ快適でした。ドライヤーもナノイーだったし。

ただ、脱衣所に物置台みたいなものがあったら良かったかな。
脱衣所も一応土足で入れる場所ではあるので、床に物を置くのが憚られ、フックに極限まで物を掛けたので耐荷重が心配になりました。

超シンプルな脱衣所

(床に小さなカゴ?みたいなのが置いてあったのですが、用途がよく分からず未使用。ここに物を置けということなのかな。小さいけど…)

ちなみに5階受付にパジャマが置いてあり、500円でレンタル可能だったのでお借りしました。
着心地がよく、丈感もなんだかおしゃれでいい感じでした。

PayPay使える

シャワーを浴びたらもういよいよやるべきこともなく、ひたすら漫画を読みまくります。

誰からも何も言われることも無く、読みたいだけ読んで、寝たくなったら寝ればいい。最高です。

気がつけば深夜2時を過ぎており、そろそろ寝ようかな…と就眠体制に入ること暫し…。

全く眠れる気がしない。

何だろう、暑いから?
(どこかでエアコンの温度設定が切り替わるみたいで、日中は肌寒いくらいだったのが、夜中は少し暑区なっていました)
布団の匂い?圧迫感?漫画に没頭しすぎて興奮状態…?

いずれ眠気が訪れるだろうとジッとしていましたが、いよいよ目は冴えてくる一方。

諦めて、再び漫画を読むことにしました。
ちょうど九龍ジェネリックロマンスが途中だったので、またしばらくノスタルジックでディストピアな、穏やかで不穏な世界観に飛び込みます。

気づけば深夜4時半。いくらなんでも遅すぎる。もう朝が来てしまう。九龍ジェネリックロマンスも読み終え、持ち込んだ漫画は全て読み切りました。寝ようとしてもやはり寝られず、また少し悶々とした後、ようやく眠りに就くことが出来ました。

そして朝が来て

朝8時半頃、他のお客さんが洗面所方向に行く音で目が覚めました。

チェックアウトは11時。
頑張って起きてもう少し漫画を読むか、惰眠を貪るか…少し悩みましたが、まあ後者ですよね。夜眠れてないし。ギリギリまで眠り続けました。

が、やっぱり他のお客さんの物音で起きてしまうので、本当は起きて漫画を読むのが正しい過ごし方な気がしました笑

個人スペース内で着替えるのは結構難しいので転がりながら着替えをすませ、洗面台で身支度をして、11時ギリギリにチェックアウト(退室するだけ)です。

おせわになりました!

まとめ

長々とお付き合いいただき有難うございました。これからマンガアートさんを利用する方、利用を検討している方向けに、ホテルの概要と留意点を共有しておきますね。

ざっくりこんな宿

  • 宿泊サイト → Booking.com
  • 住所:東京都千代田区神田錦町1-14-13
  • 選書した人:不明
  • 蔵書数:マンガ約5,000冊(日本語+外国語)
  • 料金:平日だと3,000円くらい、土曜だと4,500円くらい

利用時のポイント
  • 場所分かりにくいので不安な方は公式HPもしくはインスタ参照
  • チェックインに詰まったらちょっと待つか5階受付へ
  • 飲食NGなのでその前提で
  • プライバシーなどない、宿泊者は運命共同体
  • 個人スペースに籠ることになるので服装はリラックス重視
  • シャワーは先手が吉
  • 枕変わると寝れない人は要注意
  • 気になる人はファブリックミストとかあるといいかも
  • ホテルと書いているけどホテルではない。簡易宿泊所って感じ。

品揃えはかなり豊富で「これ読んでみたかったんだ!」と思える作品が多く、解説文も気が利いていて、知らない作品でも読みたくなります。

しかも(お客さんが少ないので)競合することなく読むことができるので、マンガ喫茶に泊まるならわたしはこっちを選びます。値段もさほど変わらないし。

ただ、正直1フロアあたりの宿泊客が5人を超えてくると快適に過ごせなくなると感じたので、周りを気にせずゆっくり漫画を読みたい…ということであれば、もしかするとマンガ喫茶の方が快適かも…?
というか、土日に泊まると混んでそうでちょっと印象変わっちゃうかも…?

このコンセプトそのままに無茶苦茶アップグレードすると箱根本箱になるんだろうな、という感じがしました。いつか箱根本箱にも泊まってみたい…

最後までお読みいただき有難うございました!