いっそ執念すら感じる「英国パブリック・スクールへようこそ!」そしてハリー杉山さん

 

 

ものすごいディープな一冊でした。
 

「霊応ゲーム」を読んでから、「パブリック・スクールってめっちゃロマンですやん…」と胸を熱くさせていた所に、
そんなニッチなニーズに真正面から向き合ってくれる一冊があるとツイッターで知り、手に取ってみることに。
 

だいたいこんな内容

★パブリック・スクールの知られざる学生生活、一緒に体験してみませんか?
★入学準備から卒業まで、貴重な写真・豊富なインタビューとデータでわかるリアルな学生生活
 

パブリック・スクールは、英国が生んだ学校制度のひとつです。
ここでは、生徒は13歳から18歳までの5年間を過ごします。
教会との結びつきからくる規律と伝統。親元を離れて寮生活で育まれる自立心と友情。
歴史ある場で勉学に励むだけではなく、肉体的にもたくましく成長し、
恵まれた施設で音楽や芸術に触れ、知性を磨く……
知れば知るほどミステリアスでディープな世界。

 

中身はこんな感じ。
 


 

目次を読むだけで、
「かつてパブリック・スクールに対してここまで掘り下げた本があっただろうか…(反語)」
という気持ちになります。
作者さん、取材お疲れさまです、ってなります😇
 
 

本作を読む前のわたしのパブリック・スクールに対するイメージはこんな感じ。

  • ハリーポッター的な雰囲気
  • 寮長とかがいそう
  • 規則が厳しそう
  • 良家の子どもしか通えなさそう
  • 紗栄子のお子さまが通ってるんだよね確か

悲しいほどに浅い。
 
 

そして、以下が本書を読みパブリック・スクールに対する知識を身につけたわたしの新たな印象。

  • (1)階級意識やばそう
  • 制服が燕尾服なのすごい(表紙写真参照)
  • もう全寮制ではないし、共学の学校も多い
  • やっぱりお金はかかる(年間の学費は約500万円だとか)
  • (2)ハリー杉山すごい

浅さは変わらないものの、知識はそれなりに深まりました。
 
 

特に印象に残った二つについて、以下の通り深掘りしてみます。
(1)階級意識 (2)ハリー杉山さん
 

 

(1)階級意識やばそう

イギリスに階級社会の名残が今もあることは何となく知っていたものの、
パブリックスクールのあからさまさがね、すごいんですよ。

例えば、恐らく最も有名で名門と言われている「イートン・カレッジ」には
こんな制度があるみたい。
 

1学年で10数名の学生だけが、学費の10%に相当する奨学金を受ける権利を得る。
彼らは、「王の学徒(King’s Scholars)」と呼ばれ、《黒いガウン》を着用する。
また、手紙を書く際、氏名の末尾にKing’s Scholarsの略称「KS」を使用することが出来る。
更に学校内の「カレッジ」と呼ばれる中心部分に住む事が許されている。
(出典:httpss://matome.naver.jp/odai/2137715472348583501

 

これ絶対内部では色々あるやつじゃない?
妬みとか、嫉みとか。
 
育ちの良い子が集まるからそうでもないのかもしれないけど、
今まで壁にぶつかったこともないような順風満帆な子どもたちが集まって、
格差を始めて目の当たりにするわけでしょう。
しかも自分がその集団では劣等だと知る側だとしたら…。
集団生活の中で、いろんな思いが渦巻くこと必至な訳でして…。
捗りますね(何がだ)。

 

 

(2)ハリー杉山ってすごい人なんだね

ロングインタビューが掲載されていて思わず熟読。
お祖父さま、お父さま、そしてハリー杉山さんご自身も、
三代にわたってウィンチェスター・カレッジ(英国最古のパブリックスクール)の卒業生なんだとか。
語り口にも知性が垣間見え、ネガティブなことも率直に語り、
年も33歳(1985年生まれ)と近いし、高い目標も持っていて…
ハリー杉山さん、すごくいい人じゃん!と。頑張ってほしい!と。一気に好感度が上がりました。笑

(ノンストップ!の印象から、金持ち系おちゃらけハーフタレントかと思ってたごめん)
 

ハリー杉山さんのファンブックとしても、傑作なのかもしれない…🤔
 

ハリー杉山さんのツイッター&インスタ:
(とりあえずついったフォローしたよ)

 

 

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Harry Sugiyamaさん(@harrysugiyama)がシェアした投稿


ヒエッ、いけめん…!(長身のイメージ無かったけど、184センチあるみたいですすごい)
 
 

著者あとがきも印象的でした。
前著「美しき英国パブリック・スクール」から内容をアップデートさせたそうなのですが、
(ところでこの本、表紙のおのこがイケメンすぎやしませんかね…)

 


 

 

取材がとにかく大変だったそう。
とにかく何をするにも許可が必要で、たらい回しにされて取材が成立しない、なんてこともあるとか。
そんな環境の中で、これだけマニアックな情報を詰め込むことができたのも、
ひとえに著者の情熱があったからなのでしょうね。お疲れさまです。
 

著者である石井理恵子さんのツイッター&ブログ:

httpss://britcat.blog.so-net.ne.jp/

 

まさに、マニア垂涎の一冊、といった趣。
少しでも興味があれば、一読することをおすすめします。
(言いたくて我慢できなくてこっそり書くけど、表紙の駆け寄る少年、将来ハゲそうだよね)