タグ「偏った人たち」の投稿一覧

芥川賞「むらさきのスカートの女」の誰かに言いふらしたくなる薄気味悪さって中々無いよね

2019年の第161回芥川賞受賞作の「むらさきのスカートの女」を読みました。 本作、先日同居人と一緒に「ブックホテル神保町」さんに遊びに行った時に置いてあったのが読み始めるきっかけでした。 しかも先に同居人が読み終え、「 …(続きを読む)

殺人一家(東伏見在住)の日常が融解するー「QJKJQ」を読んだ

 口数の少ない母だ。会話はほとんどない。それでも二人でダイニングテーブルをはさんで飲み物を味わううち、わたしがどこに行っていたのかと訊いてくる。わたしは正直に話す。だって家族だから。母親はとても怒る。どうしようもないと首 …(続きを読む)

美少年とオカルトって素敵なマリアージュですねってなる幻の名作「霊応ゲーム」

あなたは幻の名作、霊応ゲームを知っているだろうか… 「きみに手出しをしようなんて奴は、だれもいないさ。そんなことをしようとするやつはだれだって、このぼくが殺してやるからな」 つよい(確信) 幻の名作というのは、いまの書影 …(続きを読む)

闇が深すぎる桜庭一樹「私の男」を再読したら罪深さに一層慄いた

桜庭一樹作品の中で、一二を争うほど好きな作品です。 初めて読んだ時、「こんな作品を描ける男性がいるなんて、ジーザスなんてこった」と思ったものですが、(桜庭初心者にありがちな勘違い)その後、桜庭さんが女性だったことを知り、 …(続きを読む)

ニヤニヤが止まらない「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」がおすすめ

実利の小さい学問の存在理由は、人類の知的好奇心である。縄文人の土偶製作も、火星人の破壊工作も、ダウ平均株価には一切影響を与えない。それでも人は土偶や火星人の動向を知りたくてしょうがない。  しかし、好奇心があってもきっか …(続きを読む)

女子中学生、SF、父娘ドラマ…得意分野から新境地まで、桜庭一樹短編集「じごくゆきっ」

桜庭一樹さんらしいテイストの詰まった短編集。 珍しくSFテイストのものもあれば、お得意の女子高校生が主役のもの、 名作「私の男」を彷彿とさせる父娘の物語など、全7篇。 ざっくり感想   桜庭さんの文章は、可愛ら …(続きを読む)