「知事失格」が分かったような分からないような
2024年4月に川勝知事が突如離職したことをきっかけに、「リニア工事を止めていた(というイメージのある)人が辞めたけど、それによってリニア工事は進むことになるのかな?」
という疑問を持ったので、本書を読んでみました。
結論申し上げると、わたしの☝︎の疑問(知事が変わってリニア工事は進むのか?)は全く晴れることは無かったのですが笑、
それはそれとして、「はェ〜そうなんだ〜……そうなのか……?」と思うことがそれなりにあったので、自分の備忘も兼ねて読書メモを書き留めておこうと思います。
読んで分かったこと、分からなかったこと
正直、ちょっとよく分からんかったのですよね、この本。
おそらく、著者がもっとも主張したかったこと、
「川勝知事は、”工事によって県民の命の水が無くなる”という理屈でリニア工事の見直しを求めているが、”命の水が無くなる”は嘘」
については、おおよそ理解することができました。
ただ、おおよそ、なんだよなぁ。
ダムを作ることのそもそもの問題や、ダムが周辺に与える影響を前提知識として理解していないと、主張の確からしさ、問題の本質に辿り着けないように思うのですが、そこが読んでも何となくしか分からんのです。
前提を解説してくれ……図解してくれ……せめて地図を……と何度思ったことか。
⇨命の水云々は、こちらの記事で紹介されているのでご興味ある方はどうぞ
それから、もともとは親知事派だった著者が、とある出来事があってから反知事に転身し、知事やそれらを取り巻く人々を告発する……という構図なのだけど、ひたすら県政への批判が続いたかと思えば、国土交通省も叩き始めて論点がよく分からなくなった。
もうちょっと章立てを工夫するとか、図解を入れるとか、読み手に親切な作りにしてほしかったなぁ。
そうなっていないから、こちらもちょっと穿った見方をしたくなるというか、怒ったおじさんがワーワー言ってる本、という印象になってしまう。
この手の本を読むと、知事擁護派の意見も聞きたくなります。
バランスが取りたくなるというか、どちらの意見も聞きたい。
何か記事とか無いものかな。
あるいはJR東海側は全く正しいのか。
こちらもどなたかノンフィクション作家さんが張り付いていたら、全体の様相がまた違って見えるようになるはずなのだけど。
物事が複雑であればあるほど、「誰か、偏りの無いファクトを順を追って教えてくれ!」と叫びたくなります。
この本もそうでした。これだけでは、わたしはこの問題については何も言えない。
ただ、”命の水”が嘘(というか、針小棒大)なことは分かりました。
※出版社の飛鳥新社から発行されている本のラインナップが刺々しすぎて、それもあって少し斜に構えて読んでしまったのかもしれません笑(文字にするのも恐いので、ラインナップはググってお確かめください笑)