飲酒しながら読んだらボロ泣きした「灰と幻想のグリムガル21」
これまでブログで扱ったこと無かったような気がするのですが、ずっと読んでいます。
もちろん新刊も読みました。面白い!面白かった!
このブログにたどり着いてくださった方は確実にオタクの感想を求めていらっしゃるはずなので早速ネタバレ感想に進むのですが、その前に総論を一つだけ。
読み終わって強く思ったのは、面白いと思える長編シリーズを、リアルタイムで追いかけられることは貴重な喜びである、ということでした。
(途中、何度も謎だな……と思う展開もあったけど、やっぱり面白いよグリムガル)
だって本作、第1巻の発売は2013年!
もう10年以上も経っています。あっという間……こわ……
10年も読んでいたら、そりゃ感情移入もしますよ。
下手したら学生時代の友だちよりも長く、多く、接してる言えそうですもの。
(数年に1回数時間読む友だちより、数ヶ月に1回読む方が頻度高い)
その……例えるなら、北の国からみたいな。渡る世間は鬼ばかりみたいな。
どちらもわたしは見ていなかったですが、もう彼らが見られればその時点で面白いよ、みたいな。
といいつつなんだって良いわけでもなくて、
ベースとしてのエンタメ力や、読み手の感性にフィットし続ける物語のセンスがあってこそ、”面白い”と思えて、多くの読者を魅了し続けられると思うのです。
わたし自身、今も続く、昔大好きだったシリーズを追いかけるのをやめてしまったものもあるので。合わないな、と思ってしまって。
(茅田砂胡さんとか……野梨原花南さんとか……”もうちょっといいかな”と思ってしまったのが悲しくて、また読みたいなとは思うのだけども)
だからこそ、今の感性でも常に面白いと思える、続きが読みたいと思える小説は貴重で。それを新刊が出るたびワクワクして読める……って、なんたる幸福だろうと思ったのでした。十文字さん、有難うございます。
一つだけといいつつ、ダラダラと書いてしまいました。
以下、ネタバレ感想です!未読の方はご注意ください。
リアルタイムネタバレ感想
以下、お酒を飲みながら読んで思いついたことをチマチマ書き留めたものです。
感情ブレブレで読み返すとちょっと笑ってしまうのですが、せっかくなのでそのまま鮮度そのままお届けします。
(Xではよく酒を飲んでいる様子を呟いています。酒クズだと思われてそう)
マナトの両親が弱っているところ、印象的だった。
ハンターという設定、野外生活に精通している様子から屈強で頼もしい夫婦の印象を持たせておいて、実は痩せさらばえた男女であったこと。
数ページのことだけど、先制パンチとばかりの小さな衝撃が面白かった。
カラッと明るいマナトと、想像を絶する孤独と絶望を生きてきたハルヒロとの応酬が心地よくてずっと読んでいたくなる。
マナト、いいなあ。陽の気がいい。
カラッとしててあたたかくて若々しい。
マナトが逃げずに立ち向かった時、ハルヒロは慌てただろうな。
ハルヒロはどこまでも優しいから。
長いシリーズをポツポツと読んでいると、そのキャラクターがより身近に感じられて楽しい。
一気読みとは違う感覚があるな。
ゆっくり咀嚼されるような、すぐ側に感じられるような。
これは十文字さんの筆力も大きいとは思うけど。
面白いと思える長期シリーズをリアルタイムで追えるって、思えば幸福で贅沢なことなのだな。ちゃんと追わなきゃ。
普通、新章になって主人公が変わると、受け入れ難かったり前の方が良かったと思うことが多いと思うのだけど、今回は全然そんなことなかった。
これも十文字さんの腕だと思うけど、マナトもヨリもリヨもすぐ好きになれるし、ヨリリヨがひいお祖母ちゃんラブなのも大きい。
マナトも、他者へのリスペクトと優しさがある。だから心地いいんだな。
呑みながら読んだからか、泣きました。めっちゃ泣いた。
ランタもハルヒロも、みんな生きてる…!という気持ちになってじわじわ涙が出た。
ヨリが、ひいお祖母ちゃんだったら恨まないしヨリも恨まない、と言い切ってくれたところでまたジワジワ泣いた。
ハルヒロの重い重い荷物が、乾き切った心が、少し癒されるように思えて。
新章楽しいーーーーー!
お粗末さまでした