【小説&漫画まとめ】なぜか人を惹きつける「ディストピア」について

(壮大なイメージ画像、溢れ出るロマン)  

ディストピア、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
ズートピア🐰🦊じゃないよ。
(ところでご存知でしょうか、ニックとジュディって32歳と24歳なんですよ。年齢差ァ…!)

ディストピアとは、ユートピア(理想郷)の正反対の社会を指す言葉で、SFなどで空想的な未来として描かれる否定的で反ユートピアの要素を持つ社会という着想からなる世界観を示す言葉。
とのこと。

最近色んなところで「ディストピア」を耳にする機会が増えたように思います。
なんだかディストピアって言葉、無性に惹かれるものがありますよね。

ということで、こちらの記事では(主にネット上で)よく見かけるようになった”ディストピア”について調べてみると共に、ディストピア小説についてまとめてみました。

どこで見かけたのかな

どこから流行ったのか、いつから流行ったのか、
(そもそも流行ってるのか…🤔?という疑問はさておき)
わたしが最初に「ディストピア」という言葉にときめいたのは、このツイートを見かけた時からでした。

ツイッター3大ディストピア文学として記憶したい。 pic.twitter.com/JLgs1of1p3 — 夕子 (@yuko_tl) 2018年3月24日

(イオンモールはずるい笑笑)

そういえば昨日うわさの透明なミルクティー飲んでみた。ミルクティーとして飲むと「ウーン🙂」って感じだけど、本物の乳製品や茶葉が貴重品となったため、代用品の合成甘味料その他で究極調合した結果生み出された超ケミカルなディストピア飲料としてなら200点満点あげたい味だった(個人の感想) — サク (@sackryy) 2017年9月27日

一時期流行った透明飲料たち、そういえばすっかり見かけなくなりましたね🤔

あれですね、ディストピアの示す概念って、誰でもどこかしらで(おそらく映画やアニメで)絶対見たことがある風景だから、すぐにイメージが湧いてくるところが面白いのかも。
あるある言いたいみたいな。

なんで気になるのかな

考え抜いた結果、ディストピアのもつ3つの要素に惹かれているのだ、という結論に至りました。  

⑴ロマン

ユートピアがどちらかというと遠い過去(アダムとイヴの楽園)を想起させるのに対して、ディストピアは近未来というかSF的な概念で、その近未来感にロマンを覚えるのではないでしょうか。
 

例えば、荒廃した世界とそこで生き残った人々。 

あるいは、徹底的に監視された社会。

こんなSFチックな場面が思い浮かびます。
宇宙食って無性にワクワクしますものね。遠い世界への憧れというか。ディストピアもそれに近いのかもしれません。

⑵身近なものに当てはめてみたくなる

ツイッターなどでときたまバズるワードでもあって、「これってディストピア?」と自分なりの発見があるのが楽しいですよね。

雰囲気に憧れて「ディストピア飯」作ってみた。 『本日は 休日です。 3等階級国民用食 を提供します。 明日の労働に備えましょう。』 スピーカーから流れる無機質な声は、疲弊しきった私の心を逆なでするには及ばず、その味気もない合成肉とカロリーブロックを口に運ぶのであった。 pic.twitter.com/G1zl7o8qZo — 歹 ※読み方は「がつ」BA2 (@koe_gatu) 2017年9月3日

こんな「ディストピア飯」がバズったことも。

文学においても同様で、「うーん、これはディストピア!」とカテゴライズしてみたくなる、不思議な魅力があると思います。 (末尾に小説・漫画一覧まとめてます)

⑶暗い未来を想像して自分の課題感と結び付けたい

こんな記事を見つけました。
2017年のいま「ディストピア小説」の人気が再燃している理由

どちらにしても、人々は、暗いヴィジョンに手を伸ばすことで、ますます混迷する社会を理解しようとしているのだ。巧みに語られた物語は、それが真実であるかどうかにかかわらず、読者の想像力を目覚めさせ、行動を後押しする力がある。そして、うまくできたディストピアの物語はしばしば、複雑な真実よりも満足できるものなのだ。

もうおとぎ話みたいに、「いつまでも幸せに暮らしました」があり得ないことは知っている。

そんな今だからこそ、ディストピアの方がしっくり来てしまうのでしょうね。
そして、その厳しい現実や運命にどう抗うのか、それが読みたい、それが体験したい。
だからみんな、ディストピアものに惹かれるのかもしれません。

(結論)言いたいだけ

なんやかんや書きましたが、結局は言いたいだけなんだと思いました😂笑
何かにつけて「これってディストピアやな…」などと知った風なことを言いたい。
それだけ、魅力だったり可能性が秘められたワーディングだと思います。
自分の中でのブームも、まだまだ続きそう!  

ということで、

ディストピア文学をまとめてみた(迫真)

(前置き長くてすみませ・・)
出典はウィキペディア先生です!かなり数多く紹介されている中から、知っているものやビビッときたのをピックアップしています。

こんなのがあるよディストピア文学(漫画編)

 風の谷のナウシカ
ご存知スタジオジブリの名作の漫画版。
これね、すごいです。漫画版読んだことある人は未読の人に大抵マウンティングを仕掛けますが、だって漫画版すごいんだから仕方ない。ディストピア感もすごいよ。難解なのでぜひ全巻一気読みを。

クジラの子らは砂上に歌う
砂がすべてを覆い尽くす世界。砂の海を漂う巨大な漂泊船“泥くじら”で暮らす少年チャクロは、誰ひとり見たことのない外の世界に憧れを抱きつつ、仲間たちと変わらぬ日々を過ごしていた。そんなある日、突然漂着した廃墟船の中で、チャクロは1人の少女と出会う…。

本作、以前から気になってました。まさかディストピアだったとは…!

恋と嘘
「誰かを好きになる」――人はいつの間にその罠に墜ちるのか。人生のパートナーを国が決める世界。それは希望であり、絶望であった。どこにでもいる古墳好きの少年・根島由佳吏は、そのちっぽけな胸に、燃えるような恋心を秘めていた。恋が許されない世界で、16歳の夜、少年は、禁じられた冒険へはしり出す!!

ちょっと読みました。制約が課せられた中で恋心が育っていく様子にハラハラドキドキします。……が、ザ・ディストピア!という感じではないですよね。

進撃の巨人
手足をもがれ、餌と成り果てようと、人類は巨人に挑む!!巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の戦いが始まってしまう。

ご存知、進撃の巨人!なるほど、これもカテゴリ的にはディストピアなのですね。(ほんとか?)完結まで読み切りましたよ。名作ですよね。

鋼の錬金術師
兄・エドワード・エルリック、弟・アルフォンス。2人の若き天才錬金術師は、幼いころ、病気で失った母を甦らせるため禁断の人体錬成を試みる。しかしその代償はあまりにも高すぎた…。

数年前にコミックレンタルして一気読みしました。文句なしに面白い、少年漫画らしい漫画。(ディストピア…?)

こんなのがあるよディストピア文学(小説編)

 1984年
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する超全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは、真理省記録局で歴史の改竄に従事していた。彼は奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、伝説的な裏切り者による反政府地下活動に惹かれるようになる。

ディストピア文学といえばこれ感がありますよね。Kindleで買って積んでます。(電子書籍だったとしても、ついつい積むって表現したくなりますよね。これもまたディストピア)

愛と幻想のファシズム
激動する1990年、世界経済は恐慌へ突入。日本は未曽有の危機を迎えた。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」のもとには、日本を代表する学者、官僚、そしてテロリストが結集。人々は彼らをファシストと呼んだが……。

村上龍さんの作品もそのうち読もうと思ってました。これにしよ。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。リックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

本作も、ザ・ディストピア!という印象がありますよね。学生の頃に一回挑戦して挫折した記憶が…読まなきゃ。

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち
「すごく恐ろしいことだ!近づいてくる。ぐんぐんやって来る」。予知能力のあるファイバーの言葉を信じて、十一匹のウサギが旅に出た。いったいどこに平和な土地があるのか!?小さなウサギたちの大きな冒険…世界中をとりこにした名作が、今、改訳新版でよみがえる。

えっこれ有名な児童書ですよね。これもディストピアなの!?(わくわく)

華氏451度
華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!

こちらもまたディストピア!ですよね。重々しいタイトルが気になります。今回紹介するにあたって初めてあらすじをちゃんと読んだのですが、少女と出会って運命変わるらしいです。ボーイミーツガールなの!?気になる…!

家畜人ヤプー
ある夏の午後、ドイツに留学中の瀬部麟一郎と恋人クララの前に突如、奇妙な円盤艇が現れた。中にはポーリーンと名乗る美しき白人女性が一人。二千年後の世界から来たという彼女が語る未来では、日本人が「ヤプー」と呼ばれ、白人の家畜にされているというのだが…。

戦後最大の奇書と呼ばれてるとか。前から気になってたんだけど、なんかえぐいらしいっていうふわっとした評判に怯えて未読。気にはなる…

虐殺器官
9・11以降の“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?現代の罪と罰を描破するゼロ年代最高のフィクション。

読みました。SFはあまり読まないけど、「本当にこんな未来もあるかも」と思わせるリアリティがあって、引き込まれた、ような、記憶…🤔(うろ覚え)

シャングリ・ラ
21世紀半ば。熱帯化した東京には巨大積層都市・アトラスがそびえていた。さまざまなものを犠牲に進められるアトラスの建築に秘められた驚愕の謎とは–?まったく新しい東京の未来像を描き出した傑作長編!!

池上永一さんって沖縄のイメージが強いけど、ディストピアものもあったとは…面白そう。

新世界より
ここは病的に美しい日本(ユートピア)。子どもたちは思考の自由を奪われ、家畜のように管理されていた。1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

読みました。これはいいディストピアでした。パニックホラーとしても秀逸。文庫だとぶ厚めの3冊ものなのでちょっと大変ですが、おすすめです。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

ハルキムラカミはあまり得意じゃないのですが、これは面白そうです。

動物農場
飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を設立した。守るべき戒律を定め、動物主義の実践に励んだ。

読みました。風刺がすごい。頑張り屋さんの馬がかわいそうすぎて。読むと「四本足はよい!二本足は悪い!」と叫びたくなります笑

時計じかけのオレンジ
近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫る。

映画が有名?ですよね。映画の方を見てみようかなあ。

図書館戦争
2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。

最後まで読んだっけな…?🤔ディストピアというかあれですね、色恋の話

流れよ我が涙、と警官は言った
三千万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーは、安ホテルの不潔なベッドで目覚めた。昨夜番組のあと、思わぬ事故で意識不明となり、ここに収容されたらしい。体は回復したものの、恐るべき事実が判明した。国家の膨大なデータバンクから、彼に関する全記録が消え失せていたのだ。

表紙が電気羊と一緒でセンスフル。「美しい小説のタイトル」というお題でよく見かける作品ですが、まさか海外モノかつディストピア文学だったとは…!

NO.6
2013年の未来都市“NO.6”。人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう?飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに…。

読みました。名作。今にして思えばこれこそがディストピア。おすすめです…!

蠅の王
疎開する少年たちを乗せた飛行機が、南太平洋の無人島に不時着した。生き残った少年たちは、リーダーを選び、助けを待つことに決める。大人のいない島での暮らしは、当初は気ままで楽しく感じられた。しかし、なかなか来ない救援やのろしの管理をめぐり、次第に苛立ちが広がっていく。

昔読んだ記憶。あれっ、これってディストピアだったの…?🤔(記憶ぼんやり)

ルー=ガルー 忌避すべき狼
国による中央集権的なデータ管理が進み、他者との接触のほとんどがモニター上で行われるなど現実と仮想の境界があいまいとなった21世半ば、14~15歳の少女のみを狙った連続殺人事件が発生した。妖怪をモチーフとした作品で人気の京極夏彦が「美少女」「バトル」「友情」といった、アニメやコミックの物語要素を盛り込んで描いた近未来ミステリー。

京極夏彦さんですね。昔京極堂シリーズを読んでいた頃、本作も手に取っては、分厚すぎて諦めていた作品。あらすじを読んでみて、やっぱりちょっと気になります。

わたしを離さないで
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―

読みました。ディストピアというか、日が沈むように優しく朽ちていく王国、みたいなお話でした。(伝わらないなぁ)

うーん、読みたいものたくさん!

おすすめのディストピア文学

上に挙げた作品群のうち、読んだことのある作品で順位づけをするならば…

1位:風の谷のナウシカ
2位:No.6
3位:新世界より
4位:わたしを離さないで
5位:動物農場

という感じになります。(ディストピア感の強い順)

とりあえずみんなナウシカ漫画版を読んだらいいと思います。
映画のラストで金色の草原を走り回ったその後に、まさかあんな展開が待ち受けていようとは…!(煽り)ってなりますよ。

サクッと読みたい方は、動物農場が短いのでおすすめ。あまり難しいのは…という方は、No.6が良いと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
このブログでは、他にも読んだ本の感想や旅の記録を書いているので、よければチェックしてみてください☺