角川サブスクで読むオススメ作品&Kindle Unlimitedとの比較
今まで本の読み放題といえば「Kindle Unlimited」一択でしたが、2019年12月に、新たにKADOKAWAさんが「角川文庫・ラノベ読み放題サービス」を開始しました!
今も初月無料キャンペーン中ですが、サービス開始時はスタートダッシュ的に約2ヶ月間の無料体験が出来たので、約2ヶ月使った感想を書いていきたいと思います。
(勇んでサービス開始翌日に利用開始したのだけど、何故か登録がうまく行かなくて10日間くらい読み放題出来ませんでした残念😩)
アプリの使い心地や如何に
元々Kindleはヘビーユースしていたので、今回初めて使ってみたブックウォーカーアプリについて、使い心地を比較してみました。
角川サブスクの優れている点
- 文字の大きさを%単位で調整できる…これは結構便利だった。Kindleは決められたサイズの中で調整するだけなのでね
- 本棚っぽく並べられる…ほぼ使わなかったけどね
ちょっといまいちだな…と思った点
- iPhoneとiPadなど、端末を変えて同じ本を開いた時に読んだ箇所が同期されない…Kindleではお馴染みの機能ですが、ブックウォーカーにはこの機能がありません。移動中はスマホ、お風呂やジムではタブレット、と使い分けて同じ本を読む時にそこそこストレスでした。
- しおりも同期されない?…同期されるっぽい機能はあったものの、使えませんでした。
- マーカーがページをまたがって選択できない…分かりにくくてすみません。ページをまたがってマークしたいなと思った時、Kindleだとページの端っこまで引っ張っていくと次のページに移動してくれるのですが、ブックウォーカーはそれが出来ないのです。ちょっと不便。でもそんな時は、文字を極小にしてマーカーしたい箇所が1ページに収まるようにすれば解決です。改善するといいなあ。
読み放題対象のおすすめ作品
現在(2020年2月5日)の読み放題対象作品は、合計10,349冊!内訳は、角川文庫3,124冊、ライトノベル5,974冊、新文芸(まあ見た感じライトノベルみたいなもの)177冊でした。
あれこれ検索したり、レコメンドされた作品たちの中から、もし読み放題を試してみるなら是非ともこれを読んで!という作品をご紹介します。
ちなみにタイトルの前に★が付いているものは角川サブスクでのみ読み放題の作品、★が付いていないものは、Amazonアンリミテッド対象でもあるもの(どっちでも読める)ものです。
★薔薇のマリア/十文字青(全22巻+外伝5巻)
長々とこんな記事を書いたのも、正直本作を推したかったから。外伝だけど実質1巻のVer0から3巻まで読んでみて、肌に合いそうなら続きを読み進めてほしい。伊坂幸太郎みたいな群像劇、1巻から張られまくりの伏線回収、イカれたキャラクターの饗宴がたまらない。個人的には、推しが容赦なく地獄を見るかつ大抵悲惨な過去を背負ってるという点において、鬼滅の刃とちょっと似てると思っている。読んでくださいお願いします。
思い余って特集ページも作りましたご参考まで!http://sunset-rise.com/maria
この闇と光/服部まゆみ
お耽美な雰囲気に中毒者続出。わたしはいわゆる怪奇幻想ゴシック文学だと認識している。世界の土台が綺麗に、何度も、ひっくり返る様はお見事。服部まゆみさん導入編として最適。ちなみに、本作が面白く感じたら皆川博子作品もお勧め。(残念ながら読み放題対象外ですが…)
1888切り裂きジャック/服部まゆみ
切り裂きジャックがロンドンに恐怖をもたらしていた17世紀に、もしもこんな日本人が居たら…を描く。もし「この闇と光」を面白く感じたら、服部まゆみさん上級編として挑戦するのもいいかもしれない怪作(文庫本にして781ページの超ボリュームなので、心と時間に余裕だけチャレンジしよう)。ワトソン役の主人公がうじうじしててストレス貯まるかもしれないけど大丈夫、光源氏にも例えられる才気煥発眉目秀麗なホームズ役のチートぶりが物語に躍動感と高揚感をもたらしてくれます。さあワトソン君と一緒に霧の町に迷い込もう。
マルタ・サギーは探偵ですか?/野梨原花南
フィクションで描かれる”ロンドンっぽい街”が好きなら是非本作を。無気力男子高校生が異世界でチート名探偵になるお話(異世界転生モノの走りだなって思う)。空想上の生き物(ゴブリン、フェニックス、…)と人間が共存する霧の町オスタスは、個人的に最も訪れてみたい空想上の街かもしれないです。探偵と怪盗が追って追われて(時には恋に落ちて)という探偵モノが本筋ながら、美味しい紅茶と気の利いたデリと、全てに無気力だったマルタが大切なものを見つけていく様子が、いつまでも印象に残ってる。
黄金の王 白銀の王/沢村凛
本格和風ファンタジー。荻原規子大先生が好きなら試して損は無いと思います。荻原作品はボーイミーツガール(大好物)が主題の作品が多いですが、こちらはボーイミーツボーイ(それも大好物)、というか男たちの熱き戦い!みたいな作風です。敵対する二つの氏族の統領たちは、果たして長く激しく続いてきた争いを終わらせることが出来るのか?
裸者と裸者/打海文三
読み放題を機に読んだ作品の中でダントツおすすめなので今度感想を別記事で書こうと思いますが、表紙詐欺な作品だなって思う。「ぼくらの七日間戦争」みたいな感じかと思いきや(すみません同作は未読ですが)、内戦勃発後の近未来の日本をエゲツなく描く力作だった。読んでいるだけなのに血の匂いがしてきそう、なほど。三部作すべて読み放題対象なので、本作が気になってる人はそれだけで元が取れそうですね。著者逝去のため未完結なのが悔やまれます。
ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦
映画化されましたね。映画は未視聴ですが、きっと本で読んだ方が、想像の余地が多いだけに楽しめるタイプの作品だと思う。主人公のアオヤマ君がかわいらしいんだ。詳しくはブログをご参照ですが、決して謎解きを期待してはいけないよ。
いつも心に剣を/十文字青(全5巻)
もらわれっ子の少年レーレと、レーレを引き取った家の娘であるユユ、家を飛び出した二人の大冒険を描くファンタジー。…と書くと、如何にもファンタジー!感が漂いますが、後半に怒濤の鬱展開が待っており読み手をビビらせてくるので油断ならない作品。レーレがユユに抱くクソデカ感情がとても良い。巨大感情好きにお勧めしたいです。
ぼぎわんが来る/澤村伊智
映像化作品。大概そうなのだけど、映画は未視聴ながら、きっと映像化したら面白そうだなと思う。日本の古式ゆかしきホラーに、現代の家庭問題を織り交ぜたハイブリットホラー。映画の予告編を見てから読んだ方が楽しいかも。そしたら十人中十人が「妻夫木はクソ野郎」と思うはず。男女によって感想に差が生まれるのかも気になる、余韻のある小説だと思う。
★グラスホッパー/伊坂幸太郎
伊坂幸太郎作品が無料で読めるって、結構頑張ってると思う。これも映像化されてますね(当然未視聴)。疾走感溢れる「殺し屋」小説。主に三人の男性の視点に立ちながら話が展開していくのだけど、それぞれ「鈴木」「鯨」「蝉」という名前で、場面転換の度に鯨とか蝉のイラストがワンポイントで入ってきて可愛い(めちゃ細かい感想)。伊坂作品は本作だけが読み放題対象ですが、わたしが一番好きなのは「重力ピエロ」です(聞いてない)。
夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦
映像化されてますね(以下略)。森見作品といえばこれでしょう!と言っても良い代表作。「黒髪の乙女」と、彼女に想いを寄せる「先輩」の珍道中。ポップでキュートで摩訶不思議な、お酒を酔ったような酩酊感が味わえます。偽電気ブランを飲んでみたいよね(読めば分かる感想)。
西の善き魔女/荻原規子(全8巻)
洋風ファンタジー、幼なじみの少年少女、世界の秘密、王宮と女王陛下…そんなキーワードが刺さるなら、もう今すぐ、今すぐに読み始めてほしい。荻原規子さんは和風ファンタジーだけじゃないんだぞ!(怒号)
主人公の男の子ルーンがね、普段は無愛想なのに好きな女の子のことになると余裕が無くなる系男子(人呼んでぶっきらボーイ)(人呼んでというかわたしが呼んでいるだけ)で大変いい感じに仕上がっています。
ちなみに、もしお読みいただけるのであれば、その際は布団で読んでほしい。足バタバタして枕バンバンしたくなるほど、読者を悶えさせる力が…すごい…!(思い出し悶え)
RDG/荻原規子(全6巻)
荻原規子さんの比較的新しいシリーズ。アニメ化されてます(ドヤ顔)世界遺産の地で育った超引っ込み思案の女の子が、自らの運命と向き合っていくお話。自らが変わりたいと願う強い気持ちが、何より大事なのだと思い出させてくれる現代のファンタジー。寮生活!学園祭!合宿!な学園モノでもあります好き。
まとめ:角川サブスクとKindleアンリミテッド、結局どちらの方がいい?
オススメ本を見ていただければ分かる通り、★印(角川サブスクでしか読み放題ではないもの)の付いているタイトルが意外と少ないことが分かると思います。
ちゃんと調べた訳ではないのであくまで印象ですが、ライトノベルを除く多くの作品は、角川サブスクとKindleアンリミテッド、どちらでも読み放題対象になっているようです。
つまり、角川以外のものを読みたい or ライトノベルはあまり読まない、という人はKindleアンリミテッドで十分だと思います。
逆に、多くのライトノベルはKindleアンリミテッド対象外なので、ラノベを沢山(月に2冊以上)読む人には角川サブスクの方がオススメですね。
何が言いたいかって、もし角川サブスクを体験される方は、どうか薔薇のマリアを読んでください。それだけです(頭を深く下げる)