2023年に読んで良かった本約10選

こちらのブログは2023年7月に、長年使っていたドメインが期限切れになってしまったため一度は消失されたものの、「え〜いやっぱりやりたいんじゃい!」の気持ちで復活させたサイトになります

そしてせっかくなので、おそらく初めに作ってから5年以上は経っている(10年くらい経っていてもおかしくはない)サイトデザインの行き届かないところをチマチマ直した、言うなればメジャーアプデ版になります。独学なのにすごいぞ自分!

◆アプデ項目
・特集ページのスマホ対応
・スマホで見た時のトップページの見栄え&ハンバーガーメニューを今時に
・検索フォーム導入
・色調の統一

まだ治したいところは沢山あるのでゆるゆる直しますが、2023年中に公開したかったので一旦お披露目です。

これも全てはChatGPT4.0のおかげです。本当にすごかった。
コード貼ってああしたい〜こうしたい〜を言えば、多少間違っている時もあるけどおおよそ望み通りの修正案を出してくれるし、文句も言わないし、なんでも答えてくれるし……これをもしココナラとかでお願いしていたら、当然もっと楽だっただろうけど数万円はかかっていたと思うので。ChatGPTすご&こわ、としみじみ思いました。

さて、そんなこんなで復活第一弾が2023年読んだ本まとめです。
今年はプライベートも仕事もかなり忙しかったので全然本が読めていません。というか忙しい時期に「本読みたい〜!」となって一冊読むと面白くてその勢いで数冊読んで、それが収まるとパッタリ読まなくなって…の繰り返しでした。X(ツイッター)ばっかり見てたな……

なので今年読んだ本は23冊でした。去年が49冊だったのでやはり少ない。

2023年に読んだ本一覧

  1. 恋は暗黒。2巻/十文字青
  2. バズる文章教室/三宅香帆
  3. 風配図/皆川博子
  4. 夜市/恒川光太郎
  5. 恋は暗黒。3巻/十文字青
  6. ケーキの切れない非行少年/宮口幸治
  7. モモ/ミヒャエル・エンデ
  8. 夜果つるところ/恩田陸
  9. 森が呼ぶ/宇津木健太郎
  10. 鈍色幻視行/恩田陸
  11. キレイはこれでつくれます/MEGUMI
  12. レーエンデ国物語/多崎礼
  13. 東大首席が教える超速「7回読み」勉強法/山口真由
  14. ベンチャー・キャピタリスト/後藤直義
  15. 半導体超進化論/黒田忠弘
  16. レーエンデ国物語 月と太陽/多崎礼
  17. 嘘の木/フランシス・ハーディング
  18. 世界でいちばん透きとおった物語/杉山光
  19. 最後の秘境 東京藝大/二宮敦人
  20. マクドナルドの小説/心斎橋Univ.
  21. レーエンデ国物語 喝采か沈黙か/多崎礼
  22. そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティ
  23. 歌われなかった海賊へ/逢坂冬馬

小説以外(ビジネス書や新書、美容本)や同人誌も含まれてます。

この中から良かった本を選ぶのは、母数が少なすぎて……と思いつつ、選ばせていただきます。順位付けはしないものの、なんとなく良かった順に並べてみます。

2023年良かった本・約10選

🎉夜果つるところ&鈍色幻視行

恩田陸贔屓の自覚はあるものの、でもやっぱり面白かったと思いますこの二作。特に妖しさ満点の「夜果つるところ」の雰囲気がとても好きでした。悪い夢みたいな、危険な千と千尋の神隠しみたいな雰囲気が最高で。それから、それが「鈍色幻視行」の作中作であるところ。作中作……聞くだけで小説好きは大興奮ですよね。特に恩田陸ファンにとって作中作と言えば”三月シリーズ”であるが故に、恩田陸が作中作を!?という聞くだけでお酒が進みますものね。え?そうでもない?

とにかく、「鈍色幻視行」の恩田陸らしさ(やたら顔が良く喋りが達者な男、アクの強い姉妹……)をたっぷり浴びられて本当に幸せな読書体験でした。長期連載、本当にお疲れさまでした。

🎉レーエンデ国物語シリーズ

今年のファンタジー界隈(あるのか?そしてわたし自身はすっかり詳しくなくなったけど)の大ニュースはレーエンデ国物語という巨大シリーズが突如立ち上がったことではないでしょうか。

もともと「煌夜祭」も「血と霧」も読んでおり、著者の多崎さんはビターファンタジーがとてもお得意だと思っていたので、レーエンデもきっとそんな感じだろうとワクワクしたものです。

結果、すごく好き!大絶賛!という感じでは正直ないものの(なぜそう思うのかは、今度別記事で考えてみようと思います)、でもやっぱりこの素晴らしいチャレンジを応援したい……と思ってのこの順位でした。ちなみに全5巻のうち3巻が今年発売されており、2巻目の「月と太陽」が一番面白かったかな、と思います。

🎉歌われなかった海賊へ

こちらはデビュー作「同志少女よ、敵を撃て」で鮮烈なデビューを果たした逢坂冬馬さんの二作目です。表紙があまり好みではない点は置いておくとして、中身はやっぱり面白かったですし、逢坂さんの作風ってこういう感じなのか、と二作読んで少しだけ掴めたように思いました。

歴史の転換点の中に身を置く登場人物の活躍・葛藤を通じて、普遍的なテーマを織り込む硬質さ。全てがうまくいく訳ではないけれど、前向きな読後感を残してくれる優しさ。そしてひと匙(あるいはひと匙以上の!)ロマンを添えてくれるところ……。はい、好きです逢坂さん。また出たら必ず読みます。

🎉嘘の木

SNSで見かけて以前から気になっていたフランシス・ハーディング作品です。

コスタ賞(旧ウィットブレッド賞)児童文学部門、さらに同賞の全部門を通しての大賞に加え、米国のボストングローブ・ホーンブック賞も受賞し、カーネギー賞の最終候補に選ばれた…という鳴り物入り感がすごくておっかなびっくり読み始め、「児童文学と聞いてたけど、これ児童文学なの!?」としか思えない抑制された文体にしばらく馴染めず、読むのにかなり時間がかかりましたが、結果……面白かったです。

児童文学というよりももう少し対象は広めな、その時代における女性の抑圧からの解放を描きたかったのか?と感じました。読んだ方の感想が知りたくなる、深みのある物語でした。

🎉そして誰もいなくなった

今年は出張含めて旅行が多かったので、移動時間にサクッと読めるやつ…という観点で、実はこれまで一度も読んだことがなかったアガサ・クリスティに挑戦してみました。

彼女の優れた作品に刺激を受けた数々の作品を先に吸収しきってしまったからか、「あれ…これは…金田一少年かな!?」「コナンくんかな!?」と思うシーンが多々あれど、それによってアガサ・クリスティの威光に少しも翳りが出るものではなく。”そして誰もいなくなる”という最大のネタバレを既に踏みながらもなお、どうやったらそこに至るの…!?というワクワク感がすごかった。読んで損無しです。サクッと読めますし。

🎉モモ

これも、今まで実は読んだことがなかった作品に触れてみようキャンペーンを勝手開催した際に読んだ作品でした。すごかった。童心にすぐ返れる特殊装置なのかこれは?いや、むしろ大人のまま隠れていた童心を刺激されるというか……誰でも安心していいんだよ、大丈夫だよという安全オーラがすごいというか……悲しいことや辛いことがあったときに、この本を頼りにその夜を生き延びる人もきっと沢山いるだろう、いつまでもいつまでもこの本は愛され続けるだろう、そんな作品でした。(?)

🎉世界でいちばん透きとおった物語

こちらもSNSで一時期大流行りで見かけない時は無い!という感じだったので、流れに乗りたくてひっそりと読みました。こちらはあれですね、本当に何一つ、予備知識なく読んでもらったほうが良いのでもう何も言いませんここでは。

わたしはとある巨大読書アカウントの方が、作品名は明示せずにちょろっと呟いた内容で、「あ、これのことか…」と後で思って少しだけ悲しくなったので、もう今から読む人は全ての情報をシャットアウトして読み終わるまでSNSとか見ないでください本当に。あなたのためですから。

わたしの少しだけの悲しみは、同居人にブックカバーした状態でとにかく読めと押し付けたら読んでくれたことによって昇華しました。ありがとう何も知らずに読んでくれて。

🎉風配図

敬愛する皆川博子先生が、また新たに長編を書き下ろしただと……!?(注・皆川先生は御年94歳です)という衝撃ですぐ購入した一冊。

舞台は北欧のゴットランド島なところも不思議なご縁で(魔女宅の舞台と言われており、どうしても行ってみたくて10年前に旅行してきました)、読み始めてすぐに12世紀のゴッドランド島にタイムスリップ。戯曲が挟まれるという不思議な構成や、船旅や港町、交易を軸に描かれていることで、なんだか常に足元が静かに大きく揺れているような、不思議な読書体験でした。御大、創作意欲がすごすぎるのですが?

🎉恋は暗黒。

ずーっと読み続けている十文字青さんの最新シリーズが今年は2冊出まして、3巻目で残念ながら打ち切り(続きが出なくなってしまった)の憂き目に逢いながら、なんと既刊分+完結編(4巻に該当する部分)をまとめてカクヨムで無料公開するという大胆な手に打って出られたのでした。すごいや十文字先生。

https://kakuyomu.jp/works/16817139557384281407

心して完結編まで読ませていただきましたが、十文字作品の特徴でもある容赦の無さ(容赦無く人が死ぬ)に怯えつつも、まさかこんな静けさがあるなんて、と思える良い終わり方で大満足でした。無料公開によって十文字さんの狙っていたことが達成できたのかは分かりませんが、少しでも多くの人の目に触れられたらいいな…と願い、10選に選びました。

※十文字青さんの「薔薇のマリア」を特集ページで全力推ししています!容赦無い作品、でも暗くない作品、性別不詳美貌主人公と変態ストーカー男が読みたい方はぜひ!

終わりに(来年の抱負)

最後までお付き合いいただきありがとうございました!
こちらのブログ(ブログというかウェブマガジンっぽく作りたいので、ウェブマガジンと自称します)、せっかく復活させたので、来年は更新頻度をなるべく上げたいと思っています。

更新頻度が上がらない理由は、”書こうとするとすごく長文になってしまい、書き切る前に疲れて諦めてしまう”なので、もう少し短く端的に、サクサク更新できたらな…と思っています。(不安)

インスタも二つ動かそうと思っているので、見ていただけたら嬉しいです。

皆さんにとっても2024年が良い1年になりますように!来年もよろしくお願いします。